運動を通じて脳を鍛える【運動療育】とは?

大阪を中心に「運動療育」の普及に取り組んでいる運動療育アドバイザー・理学療法士の国宝孝佳さんにお話を伺いました。

運動療育とは?

運動療育と聞くと、〇〇のお困りごとには、◇◇の運動がいいですよ的な、解決策を想像される方も多いのですが、実際はそうではありません。

また、運動療育では身体も育みますが、本来アプローチすべきところは脳です。

発達障がい児の能力の凸凹の原因は、脳の神経配列に凸凹があることまで分かっています。

そして神経配列の凸凹と能力の凸凹が一致することも分かっています。(脳は場所によって役割が違う)

特に、配列の凸凹が原因で脳の司令塔と言われる前頭前野がうまく働かず、

  • 感情のコントロールや見通しを立てること
  • 切り替えること
  • ワーキングメモリー
  • 予定記憶の管理
  • 相手の気持ちを理解すること
  • ニュアンスを理解すること
  • 判断すること

などがうまくできなくなり、

集団生活に馴染めず、『障害』となってしまことが多くなっています。

子ども

 

 

運動療育では脳に対してアプローチし、これらの問題を解決することを第一の目的としています。

 

具体的にどんなことをするの?

ただ『手をあげる』運動を促すのではなく、

『20秒かけて手をあげる』

『20cmだけ手をあげる』など、

『考える・判断する』要素を取り入れた運動を行っています。

20秒かけて手をあげることは我々でも非常に難しく、始まりと終わりを意識して、残りの秒数からペース配分を考えないと上手に達成できません。

手を挙げる

あと10秒がどれくらいでやってくるのかをイメージすることや、速い遅いの進捗を判断し、動かし方に変化をつける工夫をすることで、前頭前野が活発に活動すると言われています。

このような科学的根拠に基づいた理論を構築して実践するとともに、講習会で知識を伝える活動をさせて頂いております。

 

どんな効果がある?

運動療育では運動を通じて脳を鍛え、勝ち・負け、ルールを守ること、順番を待つ、集団指示を聞くなど、子どもたちが発達の段階で自然と身に着けていく社会性など育みます。

事例1:目線が合い、指示を聞けた

例では、運動療育開始時には視線を合わせることができなかった子どもでも、セッション開始30分で支援員の目を見て、指示を聞くことができるようになりました。

どうすれば目線が合うのか、止まれるのか、止まって目線が合って指示が聞けるのか、というところを療育の基礎としています。

事例2:縄跳びが3回→連続30回

なわとびが3回しか跳べなかった軽度の子どもの例では、運動を細かく分解し、

  1. 右手回し(縄なし)
  2. 左手回り(縄なし)
  3. 両手回し(縄なし)
  4. 両足ジャンプ(縄なし、1回)
  5. 両足ジャンプ(縄なし、10回)
  6. 右手回し(縄あり)
  7. 左手回し(縄あり)、、、

どこが最も苦手かを確認した後、そこを集中的に練習し、3回のセッションで連続30回飛べるようになりました。

その他にも、

予定調和を崩す練習をすると、毎日のようにパニックを起こしていた子どもが、1週間に1回程度の頻度に減少したことなどが挙げられます。

生きている限り脳は変化するので、
正しい療育で子どもの能力が変化することは当然の理屈と言えます。

子どもの能力

 

 

はじめたきっかけ

元々私は大阪市内の総合病院で勤務している、いわゆる病院のリハビリ屋さんでした。

そこで10000人を越える、さまざまな患者さんと接する中で、『脳』と『運動』についての専門知識を身に着けていきました。

退職後にご縁から、発達障がい児のためのプログラムをまとめてくれないかとお誘いを受け、発達障がいの領域に入りました。

入ったときからずっと「スタッフたちは脳に原因があると分かっているのに、どうして脳の勉強をしないのだろう」と疑問がありました。病院では肩に原因があれば肩のことを徹底的に学び、脳に原因があれば脳のことを徹底的に学ぶということを繰り返してきましたので、強い違和感がありました。

そこで代表の方に個別で脳のお話をさせて頂いたところ、とても感動してくれて、「全てが繋がった。繋げてくれてありがとう。」と感謝されました。

その代表の方はそこから猛勉強され、今では専門家に匹敵する程の脳に関する知識を身に着けています。このような成功体験が蓄積され、現在の私の活動の根幹になっています。

国宝孝佳

 

今の活動を通して伝えたいこと

生きている限り脳は変わります。

しかも若ければ若いほど、その変化は大きく強くなります。

なので、

子どもたちにたくさんのチャンスが巡ってくるようにしてほしいと思います。

そのチャンスが運動療育でもいいですし、お絵かき教室でも音楽教室でも構いません。

とにかく、たくさんの経験を積ませてあげることが子どもにとっての一番の成長に繋がることだと思うので、たくさんのチャンスを見つけて頂きたいと思っています。

子どもの成長

ママへのメッセージ

こうして、私の長いインタビュー記事を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。

 

最後の最後までお読み頂いたということは、今、大変な思いをしていて、すごく苦しんでいて、藁にも縋る思いで情報を集められているのではないかと思います。

ご自身で情報を集め、解決することも大切だと思います。研修会などで専門性を体系的に教わることも大切な選択肢だと思います。

しかし、子育てをしながら専門知識を身に着けていくには、相当な努力が必要になります。

なので、一人で悩むことをせず、我々のような専門家を上手に活用して頂けると嬉しいです。

1人でも多くの方にこの声が届き、確かな療育が受けられる世の中を目指して活動を続けていきます。

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運動療育施設PLAYn(プレイン)  高槻・茨木市内の児童発達支援・放課後等デイサービス