食と発達の大きなつながり

春名 愛乃さん

武蔵小杉にてマクロビオティックを基本とした食や、自然療法をテーマにママの学びの場『おしゃもじサロン』を主宰。豊富な知識と明るく元気な人柄が、ママたちに大人気の先生です。
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現在の活動について

食の安全を軸に親子向けの講座や、イベントをやっています。
今は甘酒などの発酵食のクラスに力を入れています。

お教室のモットーは?

『シンプル』です。
シンプルにすることが一番成長を促し、強い精神を作ると、私は思っています。
複雑にしていくと、それに追いつくため私たちも複雑になる。
子どもは本当に多感なので、食事が複雑だと、精神も複雑になる。それだけ、成長も複雑になる。
おやつを選ぶ時も、裏の表示がとにかくシンプルなものがいいですね。

療育機関での講演内容は?

まずは、小麦粉と乳製品除去についてのお話をして、
あとは偏食などの、ママたちからの悩みにお答えしています。

小麦粉と乳製品が、発達にどのような影響を与えるのですか?

 

一般的には、小麦のグルテンの構造そのものに問題がある、とされています。
遺伝子組み換えが多すぎて、すでに本来の小麦の遺伝子をもっていない・・と言われています。
それを私たちの身体の中で異質物たんぱくとしてとらえ、消化に時間がかかっている・・という説があります。

消化に時間がかかるということは、そこに余計なエネルギーを奪われてしまう、ということなんですね。それが発達に支障をきたしている、と一般的には言われています。

ただ私は、グルテンや乳製品そのものが悪い、ということではなく、

小麦粉や乳製品が作られる過程に含まれる様々なもの(農薬や成長ホルモンなど)が大きく影響している、と考えています。

また、私はすべては「腸内環境」だと考えています。

グルテンの粘り気が歯ブラシのような細かい繊維の腸壁にくっついて、本来の機能を果たせなくなります。
今の子どもたちは欧米食(パン食)にちょうど切り替えの時期ですよね。日本人の身体が食によって変わっていくまさに切り替えの時期。

その影響を受けているのではないでしょうか。

腸内環境が脳に影響を与えるのですか?

そうですね。つながっていると思います。消化に時間がかかるものは、必ずいろんな症状となって私たちにでてきます。
子どもは一番『寝方』に出るんですよ。

普通は子どもはあおむけに寝て手はW、足はMのカタチになるはずなんです。

でも、消化に負担がかかっている子は、横を向いたりうつぶせたりします。
だから寝方を観察することはとても大事で、何を食べたか書いておいて寝方を見てみるといいですね。

本来、普通に消化がされていたら、同じ姿勢でずっと寝れるのです。

でも消化されていないとお腹に熱が生じるんですね。その熱をどうにかしたいからゴロゴロするんです。
動くしかないんですね。

なので、日中の落ち着きなさも、同じことが言えるのです。

発達障害の子には便秘の子が多いと聞きますが、便秘の原因とは?

腸壁に、乳製品もそうなんですが、グルテンなど粘り気の強いものがくっついて、
本来の超機能を失っている、とも考えられています。

腸壁は歯ブラシみたいなカタチをしているんですね。
そこに、パンを作ったことがある方ならわかると思いますが、小麦のあの粘り気がくっついてしまうのです。

食事を変えた後の変化は?

 

ある2歳の子は、最初にカウンセリングに来たとき、じっとしていられなくて、
カウンセリングもままならなかったんですね。

迷子にもしょっちゅうなるし、奇声もすごかったんです。

まずは、1日500ml飲んでいた牛乳をやめてもらいました
すると1か月後に来たときに、すでに落ち着いていたんですね。

そこでお母さんも効果を感じ、チーズ、マヨネーズ、ヨーグルトなどの乳製品もやめたんです。
2ヶ月後に来た時には別人でした。

その後、3歳児検診でひっかかったので、グルテンもやめてみることにしました。

3歳半でカウンセリングに来た時には1時間近く座っていられるようになっていました。
一番変化のあった例です。本当に半年で顔つきが変わりました。

お母さんは、本当に食しかやってなかったんですよ。

 

また、8歳の自閉症の男の子は、お母さんも元々食には気を付けている方でしたが、
お肉が好きな子だったので、毎日お肉を食べていました。

お肉は悪いものではないけど負担が大きいので、消化にエネルギーをとても使われます。

人が持っているエネルギーは、決まった分量しかありません。
100のうち80消化に使われたら、他のところにいかない。

年齢も大きかったのでリセット食を提案しました。ファスティング食です。

本当は丸3日、玄米クリームで過ごす提案したんですが、
さすがに無理だったので1日だけやって、そのあと消化の負担の少ないものから進めてもらいました。

彼は偏食も強く、冷たいフルーツを食べたり、ジュースをよく飲んでいたのでそれをやめて、
なるべくあったかいものを食べてもらいました。

毎朝起きたら白湯。足湯。玄米クリームでリセット。

1週間分のメニューを提案しました。

初めて来たときは、目線も合わず、言葉のキャッチボールができなかったけど、
2回目に来た時には、しっかり目をみて言葉を交わすことができました。

他に、どんな質問が多いですか?

『食べない』『偏食』が多いです。

子どもが食べてくれるレシピや味付けを教えてください、とよく言われますが、
レシピを学ぶよりその子に合った調理法を学んだ方が、早いのです。

子どもの味覚はとても鋭く、発達障害の子は特に敏感なので、
使ってる鍋の種類、火にかける時間、塩を入れるタイミング・・
それでけで味は変わります。舌触りも。

つい食べない子には、味を濃くしがちなんですね。

野菜にマヨネーズやドレッシングをかけてしまうが、
本当にその野菜の味を100%引き出す調理法を知っていると、
何もいらなかったりします。

食事は家族で食べるものなので、きょうだいや家族ごとに作るのって大変ですよね。

まずは、お母さんに合わせます。

お母さんが整うと、家族が自然と整うのです。
子どものメニューをと言われるが、まずお母さんをみます。
陰陽のバランスを見ていくのですが、
お母さんをみれば、どっちによっているかわかります。

皆さん子どもをなんとかしようするけど、
料理はお母さんのエネルギーが入るので、まずはお母さんなんです。

食だけ頑張っても、お母さんに壁があるとダメなんですね。

子どもは、もっと奥の奥を見ています。

なので私は、心理学も学びました。
お母さんの心のケアも、必要なんです。

どのようなアドバイスをされていますか?

食事をいきなり変えるのは大変なので、ちょっとずつ変えていく提案をしています。

毎朝、パンと牛乳食べていた子に、ある日突然、おにぎりとみそ汁って難しいですよね。

パンが好きな子には、どういったパンが好きか(やわらかい、かたいetc)をまず聞きます。
米粉だけでもパンは作れるし、ホットケーキやケークサレ、パウンドケーキなど・・。
その子の好みに合わせて、アドバイスします。

おにぎりを食べなかった子でも、
良質なゴマ油で揚げた海苔を巻いたら食べるようになった・・という例もあります。

おにぎり1つとっても、いろんな食べ方があるんですよ。

お母さん方にメッセージ

まずは、食べてるもの、食べさせてるものを見直してみてください。
日本には四季があります。旬のものを食べることには、意味があります。

食は時間のかかるものなので、成果はすぐでるものではありません。

でも、成長が大きくなればなるほど大変です。少しでも早い方が、いいと思います。
楽しそう!といって始めるお母さんのほうが、改善が早いです。

 

インタビューアー

伊藤真穂
伊藤真穂

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