学習障害の診断を受けてから〜効果のあった支援・失敗した支援〜

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学ぶ手

前回の記事学習障害とは?〜6つの能力ごとの障害と年齢別の特徴〜の続きです。

記事を書いたのは、長女さん(平成19年生まれ)は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)、次女さん(平成20年生まれ)は学習障害(LD)と診断されているお子さま達を子育て中の、たなかまひろさん。

診断を受けるまでどうだったか?
家庭でどんな支援をしたのか?
失敗した支援とは?

など、ご紹介してくださいました。

子どもの様子

 

学習障害という診断を受けるまで

我が家はH29年現在、特別支援学級に通う3年生の次女が、〈学習障害〉と診断されています。

診断を受けたのは1年生の夏です。

通常級に入学していましたが、勉強に関してはひき算やテストでつまずきが明らかでした。

幼児期の様子

1歳までの成長としては、母子手帳に書いてあるような成長よりも早く、1歳前には歩いていました。

言葉では

  • 「さ行」がなかなか言えなかった
  • 癇癪がひどい
  • 夜泣きが激しい
  • 友達と遊ばず先生にベッタリくっついている
  • ダメということする

・・・等、

育てにくさを感じてはいたものの、発達の凸凹があるという事には気づきませんでした。(また誰からもその可能性を指摘される事はありませんでした)

えんぴつ

小学校入学後の様子

小学生になって、長女が自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)と診断された頃、主治医から次女の方も凸凹があるのでは?と検査を勧められました。

主治医からはこの年齢であれば、もう少し「推論」する事ができるであろう事が、次女にはつまずきがある、と見極めて下さったのでした。

<国語>

ひらがなよりは、カタカナの方が書きやすいし、覚えやすかった様です。

国語のテスト↓
国語のテスト

「そらが まっかだね」というストーリーの始まりに対して、問題は「そらはどんな いろですか」とあります。

それを次女は「きいろ」と答えています。

<算数>

文章問題がやはり難しいようで、読んでも全く違う事を書いたりしていました。

算数のテスト結果

<宿題>

休み時間に先生が説明してくれていましたが、「1対1でカードなど見ながら説明している時はできているけれど、テストとなるとできなくなってます」と連絡帳に書いてありました。

 

学校側に理解してもらうまで

夏休みに、担任の先生と副校長やスクールコーディネーターの先生も含め面談をしたのですが、学校での様子と全く違う次女の様子にびっくりしていたのと、やはり人数が35人もいるので、「ゆっくり話をした事がない」と言っていたのが印象的でした。

ですので、このような「LD判断のための調査票」を主治医から依頼されても「理解できると思います、授業中もちゃんと座ってるし、大丈夫ですし、どう書いていいか…」と、記入をするのにかなり時間がかかった様子でした。

LD判断のための調査票

 

主治医からは学習障害の可能性が高いと言われている中、

普段毎日一緒にいる学校の担任からは「まだ1年生だし、大丈夫だと思うんですけどねぇ…」と言われ、なかなか理解を得られない時期が、親としてはモヤモヤした時期かも知れません。

次女が1年生の2学期後半から不登校になり、特別支援学級に転校することになった時期に、やっと理解をして頂けた様子でした。

 

診断がついた頃の特性

  • 不安やわからないことが強い
  • 天真爛漫だが大きくなるにつれて、不安の高さがより顕著になる
  • 日常生活上で自然と覚える様なことが理解できていない(パズルのような見て同じ様にするのは、時間がかかり時間切れ。でも諦めないでやる)
  • 記憶ができず、すぐに忘れてしまう(本人も自覚している)
  • ワーキングメモリの問題

日常で効果のあった支援策

見通しボード

朝、登校する前の不安感が強い時は、見通しボードを作りました。

「あと何分で出ればいいか?」
「もう出る時間か?」

など、

時計を見ても時間の感覚がわからずに不安がっていましたが、
こういった視覚的な支援してあげることで、不安が解消されました。

 

見通しボード

 

今現在は、黒板を使っています。

わからない字があるとここに書いてあげたり、本人が気持ちを書いてくれる時もあります。

黒板

 

 

失敗した支援

やってみて失敗した事も多々あります。

次女の場合は、自宅での宿題・勉強が全くできませんでした。

主治医からは、「学習面に関しては宿題のプリントやテストを見て、しっかり見ていく様に」と言われていました。

  • テストに関しては、テストに慣れていないとかテストのカラフルさに気が散る?という事で、もう一度テストをコピーして繰り返しやる。
  • 音読で毎日読んでいた話の内容も、テストになると理解できていない点は、やはり文字として覚えているが内容と結びついていない。こちらも教科書をコピーして繰り返しやる。

例えば、

「きつねさんが着ていたのは何色のズボンだったかな?」など、繰り返し理解できる様にする。

との課題が出ました。

「学習面に関しては今からしっかり見ていかないといけない」と、SSWにも念をおされました。

 

繰り返しやる事

視覚での方が理解しやすいだろうとの事で、SSWにアドバイスを頂きながら、この様な物も作ってみました。

計算の方法を視覚的に表示するボード

 

算数に関しての、合成分解。

例えば、
5
・0と5
・1と4
・2と3
・上の逆

10
・0と10
・1と9
・2と8
・3と7
・4と6
・5と5
・上の逆

などを、まずはしっかり何回も繰り返そうとしました。

 

「一の位の数が10個になったら、十の位に変身して1と書くんだよ。」と位取りをわかるようになど・・

 

しかし、次女は宿題をしていても、「もう1回やってみよう」とか、「これはどういうことが書いてあった?」と復習しようとするとすぐ怒りました。

この様な物を作って勉強しようとしても、「なんでそんな事聞くの?」とムスっとするので、繰り返しやる事が簡単ではありませんでした。(作ってみてもほぼ使いませんでした)

支援方法は人それぞれ

学校でも勉強がわからない状態の中、

家に帰ってもわからない事だらけの宿題や勉強をして、そのうち癇癪やパニックになっていったのです。

”髪の毛をごっそり抜く”という自傷行為もみられました。

そこで、

「家は安心して過ごせる場」にしたいと思い、宿題も勉強もしないでゆったり過ごせる様に心掛けました。

この経験から、誰かにとってはその支援方法がいいとしても、我が家の場合は上手くいかない事もあり、支援方法はひとりひとりの特性に合わせた方法をしていけばいいのだと、改めて思いました。

その為には、やはりその子の特性をよく理解していくことが重要なのだと思います。

カラフルな色鉛筆

親ができること

早期から、つまずきや困り感に気づき、理解や対応・支援をすることが大事ではないかと思います。

直すのではなく理解する

「特性」を直そうとするのではなく、自分で自分の苦手な部分「特性」を認識できたり、補う事ができるようになれば、自分なりにうまく、よりよく生きていく方法を見つけていくことも、可能になると思います。

この記事では<学習障害の原因>(脳などの中枢神経系の機能)については詳しく書きませんでしたが、書籍やインターネットで調べて頂くと、とてもわかりやすく書いているものがたくさんあります。

原因について詳しく知る事、それによって起こる特性(文字がぐちゃぐちゃになってしまう、運動が苦手など)を繋げて理解する事も、支援のひとつかも知れません。

メタ認知能力

また、学習障害の子どもはメタ認知能力が低い(※)とも言われています。

自分自身を客観的に観れず、親や学校などで「努力不足」と言われればそのままを受け入れてしまい、自己肯定感がますます下がってしまいます。

※メタ認知とは認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。それをおこなう能力をメタ認知能力という。

 

自分自身を客観的に観る事で「自分が知らない、ということを知る」

裏返せば「知っていることを知る」いう意味もあり、自分自身の実力やつまずき・困り感、苦手な部分を知ることにつながります。

「知っていることを知る」事は、自己肯定感を高める上でも大事な事です。

メタ認知を働かせる事は、年齢が上がるとともに支援する上では重要なポイントであり、障害があるないに限らず、子育て中の親にとっても、とても大切な事だと思います。

 

※この記事の内容は、あくまで事例の一つです。同様の特性がみられたからといって自己判断せずに、必ず医師の診断を受けてください。

 

〈参考文献〉
・文部科学省 学習障害児に対する指導について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/002.htm
・じょうずなつきあい方がわかるLD学習障害の本 監修 宮本信也
・LD児サポートプログラム LD児はどこでつまずくのか、どう教えるのか 監修 竹田契一 著者 太田信子他

この記事を書いた人

たなかまひろ

国分寺市在住、長女(平成19年生まれ)は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)、次女(平成20年生まれ)は学習障害(LD)と診断されている娘たちを子育て中です。

今年2月からは、地元の国分寺市・国分寺市近隣(小平市・小金井市・立川市・国立市・府中市…)にお住まいの方で、発達障害、発達の凸凹、発達の偏り、場面緘黙、HSC(ひといちばい敏感な子)、発達のグレーゾーンetc…のお子さんを子育て中のお母さん・お父さんに、気軽に集まって頂ける居場所(親の居場所)

として「Salon Lokahi(サロンロカヒ)」という活動をしており、毎月2回オープンデーを開いています。

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