ひらがなが書けない、読めない子どもに猛特訓は逆効果?楽しく学んで「苦手」が「好き」に変わるヒント

発達障害の子どもをもつ親御さんの悩みの1つに、幼児〜小学校1年ぐらいまでに始まる「ひらがなの習得方法」があると思います。

私は、幼児教育の教材開発や幼児教室の講師を10年勤め、発達に凸凹のある子どもにも多く関わってきました。

その中でも、

  • 読めない
  • 書けない
  • 左右反対に書く
  • 苦手意識があってやろうとしない

そんな悩みをお持ちの親御さんが多くいました。

未就学児であれば勉強ができなくてもさほど気にはなりませんが、いざ就学となると、できなければならないゴールがあります。

この記事では、私が携わってきたお子さんの中で、ひらがな学習に有益だったアイディアをいくつかご紹介します。

この記事をきっかけに、お子さんへの悩みが少しでも軽くなれば嬉しいです。

発達凸凹アカデミー

 

発達に凸凹のある子どもによくある「ひらがな」に関する悩みとは?

 

ひらがなを読めない(書けない)

ひらがなを読めなければ、書くこともできません。

仮に、書くことができても読めなければ使うことができませんから、「読み」と「書き」は自転車の両輪と思ってください。

自転車

どちらも必要な能力ですね。

ここで、ご理解いただきたいことがあります。

障がいによる勉強の不出来は、本人の努力不足が原因ではありません

ですから、

字がうまく書けないからといって文字の書き取りを猛特訓する・・・といったことは、残念ながら本質的な改善にはなりません。

書けるようになりたい一心で、

たくさんのドリルに取り組ませている、
読めるようになりたいので読んだ文字を全て書いている・・など。

量をこなせば一時的には効果的かもしれませんが、
本質的にひらがなを理解した、とは言えません。

 

まずは、

ひらがなを読めない(書けない)ときに、何ができないのかを見極めることが大切です。

例えば、

  • 絵と文字が一緒にあれば読める(カルタなど)
  • 似たようなひらがなは読み書きできない(ぬ・ね、わ・れなど)
  • 鏡文字になる
  • 線がまっすぐ引けない
  • 曲線が書けない

何ができていないかを見極めると、
お子さんに合ったやり方が見えてきますよ。

 

ひらがなに”苦手意識”がある

特に学習障害を持つお子さんは苦手意識があると、

できるはずのものも、
できなくなってしまいます。

例えば、

鉛筆で縦書きをする際、小指側の手の端が汚れてしまいますよね。

これが嫌だから、文字を縦書きできないお子さんがいました。

下敷きを紙の上にも敷くことで、そのお子さんは文字を縦書き練習できるようになり、スラスラ習得したのです。

「苦手意識をなくす(小さくする)」ができれば、ひらがなの読み書きは楽にできるようになるかもしれないのです。

文字を書くこどもたち

 

どうして「苦手」がでてくるの?

発達に凸凹のある子どもの「ひらがな」に関する悩み。

ほとんどの子どもが自然と習得していく中、どうして発達に凸凹のある子どもは「苦手」「できない」「いやだ!」が出てきてしまうのでしょうか?

学習障害にはタイプがある

学習障がいをお持ちのお子さんの特徴は、学習の上で3つのタイプに分けられます。

  1. 読字障害(内容をつかんで読む事が苦手)
  2. 書字障害(文章を読めるが書けない、書くと誤字乱字で読めない)
  3. 数字の概念が身につかない

お子さんの種類によって、接し方が異なります。

スラスラなぞれても、
書いた文字を読めないのは読字障害。

文字をなぞることはできても、
隣の列に真似して書けないのは書字障害。

お子さんのタイプに合わせた接し方をすれば、子供も大人も楽しく学べるはずです。

まずはお子様がどのタイプなのか?

慌てずしっかりと観察することです。

 

成功体験が少ない

発達障害のお子さんの中には、

苦手分野を持っていることが気にならないくらい、他の分野でとびぬけた才能を発揮するお子さんがいます。

周囲の理解ある大人たちが、苦手分野を人並に引き上げる以前に、

得意分野での成功体験をたくさん積ませてあげた結果なのだと思います。

笑顔の子ども

子どもはみんな、楽しいことやうれしいことは頑張って行います。

学習に苦手意識が強いお子さんの場合は、学習分野における「楽しい」や「うれしい」が増えると、お子さんの中に成功体験が蓄積し、ある日才能が開花するかもしれません。

 

今すぐできる!子どもの「楽しい♪」を増やす方法

時間を短くする

『たくさんやればやるほど、身につく』

そう思うのは、当然です。

せっかく座ってくれたから・・
集中してくれたから・・

今がチャンス!と思って、ついつい頑張らせてしまう時もあると思います。

しかし、

まずは短時間から始めましょう。

まだまだやれそうでも、
あえてストップ。

お子さんが『え?もう終わり?もっとやりたい!』と言ってきたら、大成功です!

そんな時こそ『あと1問だけね』などと特別感を出して少し延長します。

ハードルは低く

他の子より遅れてしまうのがかわいそうだから・・と思い、ついつい難しいものからやらせてしまいがちです。

難しいものができるようになれば、後が楽かもしれない・・・とも思いますよね。

しかし、ハードルは低い位置から始めましょう。

入学を控えたお子さんならば、
絵と文字を合わせるところから。

すでにひらがな学習が始まっているお子さんは、
運筆(直線や曲線を正確に書く)から始めるといいですよ。

文字を書く子ども

『そんな簡単なことから?』というぐらいからスタートして、
子どものできた!を引き出しましょう。

ゆっくり観察することで、
”つまづきどころ”も見つけやすくなります。

ゲーム要素を取り入れる

絵や文字のカードを使ったしりとりや、神経衰弱といったゲーム要素の強い学習は、お子さんに「ひらがな=楽しい」という成功体験をもたらせます。

子どもによって”楽しい”はそれぞれ違いますから、ゆっくり見つけてあげてくださいね。

「こんなことが学習につながった」事例集

ただ目的もなくひたすら文字の読み書きを練習するだけでは、大人だって飽きてしまいます。

私が実際に、幼児教室で携わったお子さんの事例をご紹介します。

「伝えたい!」という気持ち

入学してから学習障がいと気付いた男の子は、読むのは役者並みに上手、字は何語かわからない特殊な書き方の持ち主でした。

電車が好きな彼は、駅名は全て漢字を読めます。

あるとき、山手線の駅名を全て教えてくれるというので、「先生のために紙に書いて」と言うと漢字が上手に書けません。

お母さんが漢字をひらがなに直し、それを一生懸命なぞって覚えて、私の前で書いて教えてくれました。

彼の「先生に自分の好きな事を伝えたい」という気持ちがひらがな学習につながったのですね。

ママみたいに自分も!

年長の女の子では、単身赴任しているお父さんに手紙を書くために、ひらがなの練習を頑張った子もいました。

お母さんが手紙を書いているのを見て、真似したくなったのがきっかけだったそうです。

パパに手紙を書きたい!
ママのように!

そんな明確な目的ができたから、がんばれたんですね。

まとめ

いかがでしたか?

学習障害のお子さんに、大人が求める成果を急いてはいけません。

いつか必ず芽が出て花開くと信じて、お子さんと一緒に楽しく学んでください。

この記事を書いた人
ぷり子
<プロフィール>学生時代に塾講師のアルバイトをはじめて以来、20年弱教育に携わる。幼児教育の教材開発や幼児教室の講師を10年勤めた中で発達障がい児にも関わってきた。現在は小学生2人の母。わが子の身近にいる発達障がい児の宿題などをサポートする。