アメブロトップブロガー。ハンドメイド作家。
自閉症のこもたろうくん、お姉ちゃんのこもろちゃんとの日常を綴ったブログ『moroの家族と、ハンドメイドと。』は、子育てブログランキングで常に上位の人気ブログです。
ブログの人気ぶりについて、どんなお気持ちですか?
最初はハンドメイドの宣伝のために始めたブログでしたので、今の姿は、想像もしていませんでした。
きっかけは「くやし涙」という記事だったんですが、
(こもたろくんが買い物中に癇癪を起こしてしまい、通りすがりの女性に
”あなたみたいな人が虐待するのよ”と言われるエピソード)
あるブロガーさんが、この記事を取り上げてくれたのです。そこから一気にアクセス数が増えて・・・
自分でも本当にびっくりでした。
でも読者さんの中には学生さんもいて、
『看護師目指してます』『保育士目指してます』とか・・。
『ブログがきっかけで発達障害の授業を取りました』といったお話を聞くと、
こんな自分でも何かしら影響を与えることができるんだ、とすごく嬉しくなります。
やっていてよかったなー、有り難いなぁって。
どんな想いを込めて、綴っているのですか?
第一は、『知ってほしい』ということです。
やはり自閉症の認知度はまだあまり高くなく、関わってみないとわからないことが多いのが現実です。
本を読んだ周囲の方にも『周りにいないから、わからなかった』と言われます。
そして、自分自身のためでもあります。
ブログをやっていなかったら、息子はここまで成長しませんでした。
どうやったらこの子は改善に向かうかな?ということを考え、成功した場合を発信できる。
だから、すごく客観的に子どもに接することができるようになりました。
お子さんへの関わり方は、どのように学びましたか?
療育園の先生の真似を、徹底的にしました。
園と同じように家でも洗面所には”手を洗う””歯を磨く”などの行程を絵にして貼る・・など、視覚支援にも力を入れました。
園に入った時は、
本当にうちの子、一番何もできなかったんです。
みんなしゃべってるのに「あー」とか「うー」とかしか言わなくて・・。
どうしようどうしようって、思っていました。
最初の頃、息子があまりに泣くので連れ出そうとしたら、先生が”ここは泣いていい場所だから、泣かせましょう”というように、対応してくださいました。
TPOにもよりますが、あ、それでいいんだー・・とか、1つ1つの対応を先生から学びました。
とてもよい療育園と先生方に恵まれたんです。
何歳ぐらいが一番大変でしたか?
2、3歳ですね。
パニックがすごくって、ちょっとしたことで2時間3時間泣き続ける・・みたいな。
夜も寝なくて、冬は特に寝なくて一晩中起きてる・・なんてこともざらでした。
でも言葉が出始めて、ずいぶん楽になりました。
言葉の発達に比例して、パニックが減っていきました。
今は、以前より一日穏やかに過ごす方が多くなりました。
大変だった時、療育園の先生や臨床心理士さんだったり、周りのお母さんの存在は、とても大きかったです。
特にお母さん方とはお互いに相談しあったりして、
すごくメンタルな部分の支えになりました。
やっぱり誰にも悩みを聞いてもらえないと、1人で悪い方悪い方に考えてしまうんですよね。
相談できる方、悩みを共有できる方がいたってことが、すごく大きかったです。
小学校に入ってからは、どうですか?
最初は息子も戸惑うことがありました。
でも先生が『一学期は慣れる時期だから』とおおらかに対応してくださり、
ある程度落ち着いて過ごせるようになるまで、支援級だけで過ごしていました。
二学期になって少しづつ朝だけ普通級に参加してみようか・・など、
先生方は無理がないようゆっくりと対応をしてくださいました。
でも二学期は、運動会、マラソン大会、音楽発表会など、
行事が多かったのでやはり大変でしたね。
下校時間も学校の予定により様々に変わる場合もあるので、息子も慣れるまで時間はかかりましたが、今では自分で折り合いをつけられるようになりました。
息子は様々な経験を積んでいくことにより、
少しづつ困難を乗り越えていっているように思います。
子育てをしていく上での、moroさんのこだわりは?
なるべく”感情で怒らない”ということ。
息子は言われたことをそのままインプットしやすいので、
『何をやってるんですか?』という感じで丁寧語で叱るようにしています。
そうすると自分が先生の役割をしているみたいで、
自分を抑えることができるんですよ。
特に朝は気を遣います。
朝の支度が遅くなったりして、たまにイラっしてつい怒りたくなるのですが、
息子は一日のスタートでつまずくと一日崩れる場合があるので、
些細なことでもできたら、『できたねー』と褒めて、気持ちをのせるように努力しています。
moroさん自身の気持ちの保ち方は?
私が変わってるのかな?
泣いていても、かわいいな~って思っちゃうんですね。
こーんなちっちゃなことで泣いちゃうのー?みたいな・・・
だからギャーッと泣いてても、あまりイライラしないです。たぶん、2,3歳のころからずっとそうだったので、自分の脳がそうなったのかも(笑)
最近は7歳とは思わないようにしていますね。
4、5歳ぐらいだと思って、『できたねー、かわいいねー』って。
子どもの限界を知ること
もちろん私にも『普通の子に近づけたい』という思いは、あります。
将来的には自立して、人様に迷惑をかけない人にしたい、と。
でもそこで無理をさせてしまうと、子どもが辛いだけだと思っています。
この子はここまでは頑張れるけど、それ以上は無理・・という、境界線を見極めることが大切だと。
でも決して甘やかすわけではなく、私もなんでもOKというわけではないんですよ。
家ではかなり恐れられているんですよ~。子どもたちもお互いに『ママには言わないでー』とか言ってますもん。
『ちゃんと育てなきゃ』って気持ちもありますが、無理はさせません。
常に”今日できなかったら、明日できるようになればいい”と思っています。
上から押さえるのではなく、”褒めながらちょっとずつ進んでいこうよ”がいいと。
もちろん最初からそう思えたのではなく、息子の成長を見守るうちに、だんだんと自分の考え方が変わっていきました。
言葉がそんなにわからない子に対して、あれもこれもがんばれって言ったってしょうがないな~と、思えるようになったんですね。
諦めではなく、
極端な話、外国の子どもを連れてきて日本の作法を一から教えるようなものだと。
だから、1つでもいいからできることやっていこうか~と。
ここのところは、
子育ての中で大切にしています。
ブログを通してママたちに伝えたいこと
”子育ては自分育て”って言うけど、子どもと一緒に、自分も育っていくと思います。
お母さんも焦らずに、『私も今勉強しているんだな』という感じで、みんなが気持ちに余裕をもってやっていけるといいなぁー・・、そんな世の中になるといいなぁって思っています。
みんな一緒にがんばろうねーって^^
この先やりたいことは?
無理をせずに今のペースを守って行きたいと思っています。
今できること、求められることを一生懸命やっていきたいです。
まだまだこもたろは成長過程です。
ブログの読者さんもたくさん増えてくださったので、
しばらくブログでの発信を続けていきたいです。
編集後記
私もずっと、moroさんのブログのファンでした。どんな方かなぁってワクワクしながらお会いしたんですが、すごく丁寧で優しくって飾らない、本当に素敵なママさんでした。moroさんの発信は、発達障害を知らない方にもたくさんのことを伝えてくれています。
読みやすい本も、おすすめです。ご家族やきょうだいに読んでもらうのも、理解を深めてもらう1つの方法かもしれませんね。
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インタビューアー
伊藤真穂
(発達凸凹情報サイト管理人)
PC講師、カラーセラピスト。
次男の自閉症をきっかけに2015年より発達障害に関してのママ向けのセミナーを主催。2017年発達凸凹アカデミー開講。
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