インタビュー

日本にあふれる言葉におもうこと

投稿日:2017年4月21日 更新日:

株式会社 童話屋 代表・編集者の田中和雄さん。児童書・詩集および関連書籍の出版を行っています。奥様のみらいななさんは、翻訳家です。(代表作:葉っぱのフレディ いのちの旅)そんなお2人に、いまの子どもたちについてすてきなお話をお伺いしました。

 

「読み聞かせ」という言葉

 

子どもに本を読んであげる。という言い方をしますでしょ?

 

読んであげるって言うと、上から目線だなと思う人もいるかもしれない。

読んであげるはまだいいけど、「読み聞かせ」って言葉が横行してるでしょ?

 

読み聞かせっていうと、読んで聞かせてやるぞという、そういう言葉にも、受け取れる訳です。

 

だからね、読み聞かせって、非常に良くない言葉だと、僕らは思っているのです。

平気で上から目線の言葉を使っていると、知らず知らずのうちに、言葉から学んでいくのです。

だから、そういうことはどうも差別意識につながっているぞと。

よく知った上で使えば、また別ですけどね。

 

じゃあ、どういう言葉がいいのか?

なかなか良い言葉がないのです。

だからね、『 絵本読み 』なんてね。

 

そういう風(読み聞かせ)に言う方は、相当に意識して使っていたりします。

自分をそういうところに置かない、そういう意識はやめようと。

とても素敵ですね。

読み聞かせを平気で使うような世界は、信用ならないと、ぼくは思います。

 

(* ななさん)『 Book readingは? 』

 

Book readingには、そういう上から目線はない。

日本語はとてもいいのだけど、非常にいろんな意味がある。注意しなければならない。

 

みんな、才能がある

 

(* ななさん)格差って、色々なところにつかうでしょ?暮らしとかに使うのかと思ったら、教育とかにも使うのよね。

 

格差と言った時に、思い浮かぶのは、上下ですよね。

1等がよくて、3等がダメ。というような。

もともと差別用語なんですよね。

だから、使う時に意識して使っていかないといけないなと、自戒をこめてね。

 

(* ななさん)わたしの子どものころは、一等賞と、ビリとか言ってましたよね。

昔は、今のように差別がなかったから、みんな言いたい放題でね。

 

差別があっても平気だったんですよ。そのまま受け入れたんですよ。

 

でも、やっぱりみんなと一緒がいいなという想いが、国全体にあるんですよね。

その中でも、ものすごく才能があるけど、天才は変わり者だと言われる。

 

みんな才能がある。

普通の才能というのは、本当はないわけで。

みんな違う訳で。

 

平均的になると、マジョリティばかりになる。

その方がラクな訳ですよね。

世界がそうなっている。

 

野菜もそうでしょ?

キュウリが曲がっていたら、移送がしにくいから、まっすぐにしなさい。

曲がったきゅうりの方が、はるかにおいしいのにね。

 

だけど、それを無視して流通する。

だから、子どもの才能についても性格に対しても差別が生まれるんだと思うのです。

 

その中で、子どもは戦っていかなくちゃいけない。

だから、味方がいないとね。

味方がどんどん増えていかないと。

大人たちの意識が変わらないとね。

 

1人くらいビリがいたっていい

 

標準的な普通の子どもの大部分が、客観的にみると 親にとっても先生にとっても、世界にとっても、教育委員会にとっても、いい子なんでしょうね。

いい子っていうのが、とても怪しいのですよ。

みんながいい子って、気持ち悪いじゃないですか。

みんな判を押したように、良い子。

一人くらいビリがいたっていいじゃないですか。

 

いい子に育てようという気持ちが大人にあるんでしょう。

いい子の方が楽チンだからね。

なんでも言うこと聞いて、よかった。と。

 

こころで彼ら(子ども)が何を思っていても、言うこと聞くと安心しますよね。

子どもは、一生懸命頑張ろうとする。

親が喜んでくれるから。

これ怖いですね。

 

子どもは健気でね。

親が喜ぶ顔が見たいと、一生懸命頑張るんですよね。

ウソの生活をするわけですよ。

言う通りにしたのに、うまく行かなかったというショックもありますよね。

 

親の期待を一身に背負って、どんな人生が待っているのか?

親が死んだときに、一体自分に何が残るのか?

親が喜んだという記憶だけが残るのか?

それはちょっと悲しいですね。

 

子どもの身になって考える

わたしは小学校で詩の授業をしています。

ある学校では、詩を暗唱させたりするんです。

 

暗唱ができたら、校長室に行ってみんな胸はってやるのです。

できると賞状もらって、級をもらってね。

そういうことをやっている学校がある訳です。

 

そこへ呼ばれて、詩の授業をした時、ぼくは聞いたのです。

 

『この中で、詩を読んだことがある人?』と。

全員手があげます。

次に、詩を書いたことがあるひと。

これも、手が上がります。

 

『じゃ、詩がおもしろい、好きだと思う人?』手を挙げてというと・・・

『しーん』誰も手をあげないんですよ。

 

象徴的なんです。

 

それを校長先生がご覧になって、ひどいショックを受ける訳です。

 

ぼくから言わせたら、大人の勝手で子どもがどんな風に面白がるか、どんな風に勉強として詩というものと生きるか?を、子どもの身になって考えていないのです。

 

ただ、先生の勝手、大人たちの勝手で指導したって、子どもたちはちゃんとそのように反乱を起こします。

 

絵本にしても詩にしても、100人いれば、100通りの受け止め方がある。

みんな正解。

 

受験だったら仕方がないことかもしれないけど、普通の授業の中では詩の深いところをどう読み取っていくか?というところですよね。

それをやらないで、先生の勝手や 先生の答えに合った子どもに評価をするというのはね。

 

子どもは、どう答えたらいいのか?ちゃんとわかっています。

 

自分の好きなことじゃなくて、先生が好きなことを答える。

で、評価が上がる。

 

成績は上がるかもしれないけど、本当の教育ではない訳ですよね。

だから、ちゃんと育んでいかなきゃいけないはずなのに、そういうことばかりなんですよね。

 

~次回【おすすめの絵本】へ続く~

 

 

インタビューアー

浜田悦子先生

<おうち療育アドバイザー浜田悦子>
『元発達支援センター指導員』で『自閉症スペクトラムの息子の母』という2つの経験を生かし、同じ悩みを持つお母様方に、家庭でできる療育アドバイスや、カウンセリングを行っている。
日常生活や社会性の悩みへの対処法を、具体的に指導。
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